青柳啓子さんの暮らしのちょっといいもの 「セニデコ」のフランス漆喰
2021.9.27
ライフクリエーターとして、ワイヤークラフトなどさまざまな手作りや、暮らし方などを提案。フランスを思わせる、大人のセンスと審美眼に定評がある青柳啓子さん。そんな青柳さんが『私のカントリー』で連載している「暮らしのちょっといいもの教えます」からピックアップして、おすすめアイテムをご紹介します。
プロヴァンスの山から切り出した漆喰は生クリームのようにぽってりとして、とってもいい塗り心地。石の街・プロヴァンスの街並みを毎日、目と肌で感じています。
〝フランスで最も美しい村〟の1つに認定されている「ルールマラン」という村をご存じですか? プロヴァンスの中心に位置し、ちょっとピンクがかったベージュの石の建物が、村じゅうを彩ります。上質な香りのお店「コテパスティッド」もこの地にあり、私はそこのインテリアが見たくて一度訪れたのですが、山の中の村なのに洗練された印象が漂っていました。その景色をわが家で感じたいと思ったのが、「セニデコ」のフランス漆喰を塗るきっかけです。
セニデコ社は、プロヴァンスのマルセイユに誕生して140年以上がたちます。マルセイユの岩山はかつて地中海に沈んでいたそうで、その岩山の石灰岩を切り出して、漆喰を作ってきました。そう、つまり、この漆喰は、フランスの歴史と土壌、空気の賜物。それがわが家に来るとは。ロマンチックな物語を描いてしまいますね。
実際に塗ると、拍子抜けするほど簡単でした。漆喰塗り初心者の私でも、いい表情に。思いきって塗るのがいいみたいです。コテ使いは、手首を動かすというより、腕を大きく動かすイメージで。
ただ一つ悩んだのは、〝ピンクがかったベージュ〟を表現することでした。ルールマランの歴史を感じさせる、古びたピンクベージュ。仕上げのワックスに自分流にアクリル絵の具を混ぜて塗ってみたところ、どんどんイメージに近づいて、自然なニュアンスのある壁が生まれました。プロヴァンスの雰囲気、出ていますか?
フランス漆喰のなかでも、いちばん自然を感じられやすい「デコ・プロヴァンス」をセレクト。トレイと、厚みの異なる丸コテを2つ、霧吹きも準備して。
「たっぷり大胆に。表情が豊かになるコツ。霧吹きするとやさしい印象に」
怖がってちょこちょこ塗ると、かえって塗りにくい。多いかな? と思うくらいを、広い範囲に塗って。半乾きしたら、霧吹きをして、薄い丸コテで押さえて。表情のつけすぎをカバーして、好みの質感に。
壁に凹凸ができ、雨風にさらされたようなアンティークの面もちに。あたたかみも感じる。
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『私のカントリーNo.98』掲載 撮影/宮濱祐美子
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