マルトさんの「司祭の庭」
2021.3.15
こんにちは。H.P.DECOのプレス、朝野です。
春の日差しが心地よく、お店のエントランス前の緑たちも元気になってきました。今回もH.P.DECOの姉妹店「Bazar et Garde-Manger」のコンセプター兼バイヤー、マルトさんをご紹介します。
マルトさんは今、パートナーのフランクさんと南フランス・アヴィニョン近郊の城壁に囲まれた小さな街で暮らしています。それ以前は約20年間、パリで暮らしていました。

南フランスの青い空、太陽に照らされる中世以来の街並み。
パリは友達も大勢いて、今も大好きな場所だというマルトさん。でも、とにかく時間に追われる生活で、自然に囲まれ、時間がゆっくりと流れるアヴィニヨンへ引っ越したことは、マルトさんにとっても、パートナーのフランクさんにとっても必然なことだったそうです。
アヴィニヨンの暮らしの中で幸せと思う瞬間は?
「アヴィニヨンの空の動きを見るとき。花がきれいな時期にフランクと一緒に散歩をするとき。そして、夏にマルセイユの海に飛び込む瞬間」
「何も特別なことではなくて、なにげない日常の小さな幸せを見つけること。たとえば、テーブルに花を一輪活けてみる、一人だからと適当に食べるのではなくちゃんと食事をする。食べるものや身の回りのものを通じて、精神的に満足するようなライフスタイルを持つことが大事よ」
マルトさんとフランクさんが南フランスへ移住する理由の一つは「庭をもつこと」だったそうです。
ふたりで1年半以上もかけて探しあてたのが、アヴィニヨン郊外の美しい庭のある3階建ての古い一軒家。自分たちでペンキを塗り、何年もかけて少しずつリノベートしています。
1階の玄関を通り、奥のもう一つのドアを開くと、そこからマルトさんが「Priest Garden」(司祭の庭)と呼んでいる庭が広がります。
「司祭の庭?」と尋ねると、「住居に囲まれた、閉鎖的な小さな庭なので」
決して小さくありませんが、マルトさんのお家や通りから遮る塀に囲まれた完全にプライベートな場所、というイメージです。
「庭が狭いときには、色の調和が大切よ」とマルトさん。
「この庭には3色だけ使うようにしているの。緑(あらゆる色みの緑!)、白、黒に近いダークボルドー。そして、まるで繭(コクーン)に包まれるようなイメージで緑の繭を作ったの」
目が色の氾濫で混乱してしまわないように、でもコントラストや色の濃淡、さまざまな葉っぱの種類で楽しめるように心がけたそうです。そして、「庭も部屋の一部のような感覚でデコレーションすること」とも。
マルトさんの庭の片隅には、ヴィンテージの小物や陶器のオブジェなどがちょこんと潜んでいます。

繭(コクーン)に包まれるようなイメージで、緑の繭。ここでの食事が大きな安らぎを与えてくれるそうです。

庭ではシダ、ゼラニウム、竹、イチジク、クローバー、サボテン、多肉植物、香りのいいハーブを育てています。

庭で採れたハーブで「ベジタリアン・クスクス、煮込み料理」。セモリナ、季節野菜(ナス)、トマト、ニンジン、ズッキーニ、ひよこ豆、ピーマン、そして新鮮なハーブのコリアンダー、タイム、セージを使っています。

「大地に手を触れることによってもたらされる、自然と一体化するような、言葉では言い表せない感覚は最高のもの。頭をすっかり空っぽにしてくれます」

「私の好きな色のひとつは緑。あらゆる種類の緑、同時にすべての色! 色というものを私は心から愛していて、色と遊ぶことを楽しんでいます」
東京・表参道のお店にもマルトさんがセレクトした色とりどりのアイテムが届いています。お店の様子は、下記のスタッフBlogから覗いてみてください。
Bazar et Garde-Manger(バザー・エ・ガルド‐モンジェ)とは
Bazar = あらゆるものが溢れる雑貨屋
Garde-Manger = 冷蔵庫がなかった時代の、食べ物を保存しておくための貯蔵庫
過ぎ去っていく時間の中で、一生とっておきたくなるようなもの、楽しく暮らすために必要なものを見つけ出す喜び、そして不思議なオブジェを集めたライフスタイルショップ。
フランスを中心とするヨーロッパのインテリア雑貨、照明、ファブリック製品、オブジェ、アート、南仏で買い付けたヴィンテージ家具などを取り扱っています。
・・・・・3は、4月1日公開です!・・・・・
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