【2022年】買ってよかった!松本市「陶片木」の三日月まな板
2022.11.30
【2022】買ってよかったもの
こんにちは。「come home!」ライターの小林です。年末年始は暮らしの道具にいつも以上に目がいってしまうタイミングですね。実は、今年は新年早々に素晴らしい出会いの買い物ができた年だったので、来年もよき出会いがあることを願って、年始めに買ったもののお話をしたいと思います。
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「陶片木」で出会った三日月のまな板
私は温泉が好きで暇を見つけては出かけるのですが、訪ねた先での雰囲気のいいお店や道具や器との出会いもひそかな楽しみ。そんな温泉めぐりの中で見つけたのが松本の中町通りにある「陶片木(とうへんぼく)」です。藤田嗣治似の店主がこだわりを持って選ぶ暮らしの道具や器が並ぶお店で、松本近辺に行ったときは必ず楽しみに立ち寄っています。昨年の秋に行ったときに目にしたのがこの三日月型のまな板。丸いまな板が欲しいなという気持ちはうっすらと前々からあり、ぽってりと厚みのあるまな板の佇まいに一目で惹かれました。手に取ってみるとなかなかずっしりと重くて、それでいて手のひらに優しく馴染む木のぬくもり。何よりまんまるに見せかけてパックマンのように口が開いている三日月型がコロンとしてかわいいではないですか。そうそう、こういうのが欲しかったの!という気持ちで値札を見るとまな板としてはそれなりのお値段。
木製品には不安もありました

独立して立つので、乾かしやすく、スペースもとりません。
実のところ、私にはそれまで何枚もの木のまな板をカビで真っ黒にしてしまった過去があります。狭い水周りに問題があるのか私のお手入れ不足か(絶対的にこっち)、どうしても立て掛ける底の部分に黒いカビが生えてきてしまうんです。そういうものだと思って安価なものを定期的に買い替えて使っていましたが、一度だけハワイで見つけたクラシカルなカッティングボード(まな板と呼ぶよりもカッティングボードでした!)が目も当てられない黒さになってしまったときはとても悲しくなり、罪悪感さへ感じたことを覚えています(ちゃんとお手入れできなくてごめんない!という気持ち)。そしてもうひとつの深刻な問題が、その年に引っ越した鎌倉の夏が想像を絶する湿気との闘いだったこと。そんな理由でそのときは木製品の購入には踏み切れませんでした。まな板の代わりに古伊万里の器など買って帰ってきましたが、どうしてもあのコロンと可愛いまな板の佇まいが忘れられず、丸いまな板を見かけるたびに「陶片木(とうへんぼく)」で出会った三日月まな板を思い出していたんです。
在庫切れが続く人気の品。だけど、たまたま店にあって……
そんななか、今年のお正月は松本の先にある白骨温泉へ行きました。帰りが正月の3日だったのでさすがにお店は営業していないだろうと、だめもとで中町通りを歩いたらなんと「陶片木(とうへんぼく)」がやっているではないですか。嬉しさのあまり駆け込んでどきどきしながら店内を見渡すと、あのまな板がちゃんと棚の上に鎮座していました。懐かしい友だちにでも再会したかのような気持ちで見ていたら「ここのところずっと生産が追いつかなかったのがやっと入ってきたんですよ」と店主の声。なんでも一度東京で紹介されてから人気が出てしまい店頭にないことが多いのだそう。まな板の木材はそのときによって変わり(大木を一本まな板にしていくため、使い切ると木材が変わります)、今は朴の木で作っていることも教えてくれました。これまでいくつも木のまな板を真っ黒にしてきてしまったことを話すと、「削り直せばまた新品のようにきれいになりますよ。厚さも十分にあるので何回でも削れます。心配ご無用。一生使えますよ」との返答。さらに「みなさん、びっくりするくらい真っ黒にして持ってくるので大丈夫。木なのでそりゃ使っていればカビも生えます」とのお言葉まで。そんな店主の言葉にすっかり安堵し、ここで再び会えたタイミングを逃す手はないと迷わずに購入を決めた次第です。
カットフルーツや野菜のプレートに

ある日の盛り付けの様子です。
無事につれて帰ってきた三日月まな板は、わが家のオープン収納のキッチンに実にしっくりと馴染みます。その完璧な美しさに最初の一ヶ月はただ眺めて満足していました。まな板としてはもちろんお皿としても使える万能選手なので、本当はバンっと肉汁滴る肉料理なんかのせてテーブルに出したいところですが、まだまだもったいなくてそんな豪快な使い方はできていません。今のところ野菜を切ったりフルーツを盛ったりといった程度のごく控えめな出番です。でも、こうやって使っていくうちに染みやキズが増え、いつかそう遠くない未来には躊躇せずガンガン使い倒していることを確信しています。オーブン料理にも使えるようになったころにはきっとメンテナンスが必要となり、三日月まな板を口実に温泉に出かけるというのも、私にとってはなんだかとことん人生のいい話のような気がしてならないのです。

「陶片木」では、購入時には店主からこんなお手紙が同封されています.
使うほど深い愛着が育っていくものは暮らしにささやかな幸せを運んでくれます。新しい年に向けて、そよ風が舞い込んでくるような素敵なものとの出会いがありますように!
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