富山の散居村に佇むアートホテル「楽土庵」 2022年秋オープン



NEW OPEN

2021.11.28

改修前の「アズマダチ」古民家 Photo by Yuki Tanaka


富山県砺波市の美しい農村景観・散居村の地に、宿+レストラン「楽土庵」が2022年10月に開業。


旅によって自己を癒やすだけでなく、その旅が地域も癒やし、再生へと向かうことに寄与する新たな旅のスタイル「リジェネラティブ(再生)・トラベル」が注目されています。「楽土庵」が目指すのも、そうした、訪れる人とこの地域両方の「回復と再生」につながる宿。


田園に家屋が分散する稲作農村形態を「散居村」といいます。なかでも、砺波平野の扇状地におよそ220k㎡にわたって広がる散居村は日本最大であり、一面が水鏡となる春から雪景色の冬まで、四季折々に美しい表情を見せてくれます。


この地域には、民藝運動の創始者・柳宗悦が名付けたとされる、「土徳(どとく)」という言葉があります。厳しくも豊かな環境のなかで、恵みに感謝しながら、土地の人が自然と一緒に作りあげてきた品格を言い表しています。富山の散居村は、人と自然の共生から生まれる「土徳」の象徴。土地の水脈に沿って水路や田畑を作り、家を建てる。自然のグランドルールに則って作られてきた景観だからです。


かつて、この地を訪れた英国の陶芸家バーナード・リーチが、「世界にも類を見ないこの土地の美しさは、百姓によって生み出されている」と絶賛した富山の散居村は、しかしながら、その景観の維持が年々困難になっています。「楽土庵」は、この散居村のなかに建つ富山の伝統的な「アズマダチ」の古民家を再生して宿泊施設にすることで、訪れる人がこの土地の「土徳」に触れて自己の回復につながるとともに、その滞在の収益の一部が散居村や地域の伝統文化保全にも寄与する「リジェネラティブ(再生)・トラベル」を提唱します。


Photo by Yuki Tanaka


「土徳」を体感する空間と工芸・アート作品


「楽土庵」は、三方を水田に囲まれた、築約120年の「アズマダチ」の建物を活かした、1日3組限定のスモール・ラグジュアリーな宿。周囲の自然環境や歴史と切れ目なく繋がるよう、空間には古来からの自然素材(土・木・竹・和紙・絹等)が使われます。その空間に、芹沢銈介、濱田庄司、河井寬次郎ら、質の高い民藝から、唐や李朝の骨董、現代の工芸・アート作品までをしつらえ、人が自然とともに作る「土徳」を空間やアート作品からも体感できます。また建築デザインは、タイムレスで上質な美しい空間づくりに定評のある「51% 五割一分(ごわりいちぶ)」(富山・東京)が担当。


芹沢銈介の屏風。1967 年、アメリカ・ヒューストンで開催された 「Japan Art Festival」出品作。


土地の歴史・文化を伝えるガストロノミー


敷地内には、地域の海・山・里の食材を使って本格的なイタリア料理を提供するレ
ストラン棟が新築され(席数:20席)、地元を含め国内の工芸作家によるオリジナル食器が使用されます。それらの食器や宿泊棟に設えられた作家の作品、富山の食・工芸品などを扱う「ショップ」も併設され(いずれも宿泊者以外も利用可)、地域食材の地消、作家作品や地元の伝統工芸品の購入も地域への還元につながります。


リジェネラティブな体験プログラム



「楽土庵」を運営する株式会社水と匠は、富山県西部地区を中心とした「観光地域づくり法人」。これまでも、富山の土徳を体感するツアープログラムを数多く提供してきました。楽土庵でも、「茶道・華道のプライベート稽古」「真宗王国・富山に根付いた仏教講座」「地域の農家に学ぶ農業体験」など、宿で楽しめるプログラムから、富山の伝統産業工房見学、海・山のネイチャー・アクティビティなど、宿泊者の自己回復につながる体験の提供と、その収益の一部を散居村保全に還元する仕組みを作ります。


 


自然や他者に感謝しながら積み重ねられて来た富山の営みは、サステナブルやウェルビーイングと呼ばれる現代の価値観と共鳴します。楽土庵はここ富山の地で、アートや工芸、食、体験プログラムを通じて「人と自然がともにつくる美」をいただく、普遍的で新しい滞在体験を提供してくれます。


「楽土庵」完成予想の外観スケッチ


株式会社水と匠

問い合わせは下記のURLまで

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