ものへの愛着と家族の絆を育てる収納(前編)
2020.8.28
思い入れのあるものを手に取ったり眺めたりできる場所へ。
たったそれだけなのに会話や行動が変わりはじめて――
降矢あさこさん
思い出の品をまとめたら亡き父がよく話題に

それまでしまい込んでいた写真や形見の品を大切に並べて。実 家が遠方でなかなかお墓参りに行けないがっちゃんもうれしそう。

右ががっちゃんのお父さん、左が私の家族の写真。娘の花凛も、 「これでおじいちゃん帰って来られるね」って喜んでくれました。

どっしりとした金庫は、お父さんが大切にしていたものだそう。
うちのリビングには手作りのキャビネットがあります。中に入れているのは、がっちゃん(夫の呼び名です)の父の遺品や写真。いわばわが家の仏壇みたいなものです。作った当初は、雑貨を飾ろうと思っていたんですが……。
気持ちが変わったのは、映画『リメンバー・ミー』を観たのがきっかけでした。家族を思う大切さがテーマで、「死の国」の住人は、家族に忘れられてしまったら、お盆のような「死者の日」に戻って来られない――というお話。帰り道、娘が「うちは写真がないからおじいちゃんが帰って来られないね」と悲しそうに言ったんです。その言葉にハッとさせられました。
その後、しまい込んでいた父の写真や遺品を飾ってみたら、思い出話をする機会がふえて。置き場所ひとつでこんな影響があるんですね。これを機に、収納をまた見直しました。そのひとつが、娘のクロゼット。大人と一緒が不便そうだった娘は大喜び。自分で管理するようになって、ヘアゴム1個も大事にしています。
専用クロゼットをもった娘はおしゃれの意欲向上!

カラーボックスをリメイクして扉をつけ、ミニクロゼットに。 小学4年生の娘、花凛の学用品や洋服を収納しています。娘は自 分のものをきちんと管理できるようになりました。

お出かけ用 のヘアゴムはビニールポケットに分けて管理。

ラベルも自分で 作りました。

流木のハンガー掛けに洋服をハンギング。

キャビネットはいつで も視界に入るソファ脇 を定位置に。それまで 飾りすぎていた雑貨を なくしたら、すっきり。

花凛のクロゼットは、 動線がいいリビング脇 の洋室に。着がえも朝 の登校準備もスムーズ にできるように。
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