春の手しごととおもてなし



馬狩まどかさんの うま家の手しごと

2022.5.19

今週は、Come home!vol.59で取材した【馬狩まどかさんの ケの手しごとハレのおもてなし】から、お母さんに教わった笹の葉寿司のお話をご紹介します。季節の恵みをありがたく頂く馬狩さんの暮らしをご覧ください。



みなさんは「ハレとケ」という言葉を知っていますか?ハレは行事やお祝いなどがある特別な日。それに対して、ケは坦々と続く日常の暮らしのことです。わが家では、季節ごとに採れる素材を使って保存食から飾り物までせっせと手作りしています。そうしてできたものは、ハレの日のおもてなしにも大活躍しています。



 私の実家では︑春になると母がクマ笹の葉を採ってきて、笹だんごを作るのが恒例でした。厳しい冬を越えて迎えるさわやかな季節の始まりの合図。自然豊かな北海道に暮らしていると、その恵みをムダにしたくないという思いに駆られます。母親になってから私も、いろいろな手しごとをするようになりました。



 この日は、家族みんなで笹の葉を採りに出かけました。笹だんごにするほか、おにぎりの下に敷いたり、お弁当の仕切りに使うとみずみずしい彩りになります。冷凍室で保存しておけば、いざというときのおもてなしにも活躍。




 ついでに、あんこもたくさん炊いて保存。ぜんざいや、ホットケーキのトッピング用に。あんこが苦手な子どもたちも、お父さんのためとなると張りきってお手伝いしてくれます。



 自然の恵みを暮らしに取り入れるのは手間もかかるけど、土地と向き合い慈しむことにつながると思えばなんのその。娘たちにとってもかけがえのない体験になるはずです。


 春は進級の季節︒新たなスタートを一緒にお祝いしたくて、夫の両親を招待しました。メニューに選んだのは笹寿司。実はこれ、結婚したばかりのころ義母から教わった料理なんです。夫の実家では、毎年行われるあんどん祭りの日によく作っていたもの。笹には防腐効果があるということで、夏のお祭りの定番でした。最初にいただいたとき、ふわっと笹の香りがして、おいしさに感動したのを覚えています。



 77歳になる義母は「近ごろは、ごはんを作るのもおっくうでねぇ」なんてもらしていて。それなら、思い出の笹寿司を作って食べてもらおうって思ったんです。夏ではないけれど、青々とした笹の葉が春の息吹を感じさせ、食卓を華やかに彩ってくれるはず。甘いものが好きな両親のため、常備しているあんこを使ってあんまんも用意しました。




みんなで協力して、テーブルセッティングも完了。あんまんや大鉢の茶碗蒸しができたところで、ちょうどよく両親が到着しました!



 食べきれなかったぶんは、包んでおみやげに。笹寿司はそのままつまめるから、疲れて帰ったあと、片づけの必要もなくてラクなんです。


 


 


 


→ 前回の記事【春の香り たけのこおこわ


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馬狩まどか うまかりまどか

自然豊かな北海道の石狩平野で、ご主人と2人の娘さんと一緒にスローライフを楽しむ。DIYで住まいを心地よい空間に模様がえしたり、季節の行事を家族で楽しんだり、日々のことをinstagramで発信。

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