【古民家暮らしと帽子作り】未来の私を育てる時間①



Comehome!

2022.7.4

50代になると、子どもが手離れ自分の時間がふえてきます。  若いうちは子ども中心でいいけれど、また、自分と向き合う日が来ます。 そのときのために楽しめること、人との縁を育てていけたら素敵。 本日から、そうして未来の自分をこつこつ育てときめいている3人のお話をお届けします。1人目は、リノベーションした古民家で暮らしながら、帽子作りを楽しむ松田さんです。


この記事は、Come home! vol.67より抜粋しています。


娘のために初めて帽子を編んだのが10年前
初めは肩に力が入っていたけれど
だんだん、自分がいいと思うものを
楽しんで作れるようになってきました
〈松田 愛さん〉


朝の家事を終わらせて、コーヒーでひと息ついたら、作業開始。日ざしを受ける縁側だとイメージもふくらむんです。

帽子はオリジナルの一点もの。シーズン前には月に10点ほど編んで、取扱店へ納品しています。

集中できる時間がとれれば、2〜3日で編み上げ、仕上げ作業をします。

帽子作りに使うのは、土にかえる木材を原料とした再生繊維。かぎ針で編んでいきます。


タイムリミットがあったからできたこと 
小さなころから「家を継ぎなさい」と言われて育った私。実家を継ぐというタイムリミットが見えていたからこそ、若いころはやってみたいことに貪欲にチャレンジしていました。当時の夢は姉と2人でカフェを開くこと。そのためにパン職人をしたり、インテリアの勉強を兼ねて照明屋さんで働いたり。器のことも知りたくて陶芸教室にも通いました。そして満を持してカフェを開いたのが15年ほど前。探しまわって見つけたり、DIYしたりした家具が並ぶ空間に、こだわりの器をそろえて手作りの料理やケーキを盛りつけ――。2人の夢を形にできた喜びは、今でも忘れられません。それから姉や私も結婚・妊娠し、カフェは閉じることになりましたが、 カフェ経営のために積んだ経験すべてが、今につながっている気がします。


カフェでの経験はふだんの料理に。家族の癒やしや健康を大切に、食事を作っています。

今では和食器はほぼ自作。チャレンジしたことで視野が広がり、肩の力を抜いて楽しめるように。

講座を受けて金継ぎを習得。手直しの跡にまた愛着がわくんです。

帽子作りの端材で水筒ホルダーを手作り。さっと持ち運べ、フックにも引っかけられます。

築90年の古民家をリノベーション。足りないところは自分たちで作りながら暮らす毎日です。


完璧を目指さず 誘いがあれば乗ってみる 
家を継ぐために戻ってから、薪割りに畑仕事、山の管理など毎日やることは尽きません。だからこそ、自分の時間が大切。今はもっぱら帽子を作っています。 きっかけは、3歳だった娘のために本を見ながら編んでみたこと。その帽子を見た近所の子に「私も欲しい」と言われたのがうれしくて、人にも作るように。あるとき、帽子をかぶって雑貨店に行くと、 オーナーさんに「店に置かせて」と頼まれて。今では月に10点ほど納品するようになり、世界が広がりました。振り返ると、自分のアンテナに触れることには臆さず挑戦して、それが今につながっています。近々、家業のためにショベルカーの免許を取る予定。ますます忙しくなるけどわくわくしていて。タイミングを見逃さず、これからも未来に向かって種をまいていきたいです。 


※次回「未来の私を育てる時間②」は7/6(水)更新予定です。


→「暮らし」にまつわるそのほかの記事はこちら


今週の人気記事

Instagram

line

女性向けのナチュラルなインテリア情報誌です。子供や家族を前提とした
インテリア&家つくり情報を中心に、リノベーションなども紹介しています。
また、「暮らしのなかにある小さな幸せ」を大切に、
自分らしく、心地よく暮らすためのアイデアを紹介するインテリア雑誌です。

line