【刺し子作りに魅せられて】未来の私を育てる時間②
2022.7.6
若いうちは子ども中心でいいけれど、50代を過ぎれば、また自分と向き合う日が来ます。 そのときのために楽しめること、人との縁を育てていけたら素敵ですね。 前回の記事より、そうして未来の自分をこつこつ育てときめいている人のお話をお届けしています。2人目に登場するのは、刺し子作りに魅せられた大村さん。仕事や家事の合間に続け、今では糸のブランドを立ち上げるため準備をしているところだそうです。
この記事は、Come home! vol.67より抜粋しています。
理にかなった道具の美しさや
糸の色や種類の豊富さに魅せられて
刺し子作りに夢中になりました
〈大村ミサさん〉

ダイニングテーブルが私の作業場所。食事の支度の合間に針を刺すのが最高のリラックスタイムです。

キッチン収納の見せたくない部分を隠すのに刺し子のふきんが大活躍。

棚に刺し子を一枚敷くとアクセントになります。気分で替えて楽しめるのもいいところ。

バッグの中には刺し子のポーチとハンカチを常備。リップや消毒液を入れた丸つなぎ柄のポーチがお気に入りです。

子どものお弁当も刺し子で包むと完成度がアップした気分に。

愛用している裁縫道具は、京都の老舗「みすや忠兵衛」のみすや針と糸切りはさみ。
5分でいいから自分の時間をもつ大切さ
3年ほど前、久しぶりに刺し子を手に取ったのをきっかけに、刺し子作りの魅力に魅せられています。子どものころから手芸にはさほど興味がなかったのに不思議ですが、考えてみたら書道を教えている私にとって、文字を書くことと針を動かすことはよく似ていたんです。 子育てに追われていた時期、私を救ってくれたのは文字を書く時間でした。広告紙の裏に文字を書き写していると心が落ち着いて。それが今の仕事につながっています。刺し子もひとりでできるし、 場所をとらず道具も最低限。5分あれば集中して無心になれる点が似ています。 持ち歩きもできる刺し子は、自分と向き合う時間がどうしても必要な私にとって実に理にかなった作業。いつの間にか趣味の枠を超え、なくてはならない存在となっていることを実感しています。

糸は多色使いするより、単色や類似色を合わせた落ち着いたトーンが好み。

自然素材で染めた糸にひかれます。手染めの糸はかすかな濃淡が刺した模様にニュアンスを生み出してくれるのが魅力。

伝統柄が好きですが、オリジナル柄を思案することも。イメージがふくらみます。
時の経過と人との出会いで
点は線になっていました
書道を教えているのは、夫の転勤で行ったシンガポールで文字を教えてと請われたことがきっかけなんです。異国から眺めると、ていねいで繊細な日本文化の素晴らしさに気づかされることが多くて。いっぽうで、異文化に触れておおらかに生きることの大切さも知りました。 この春、シンガポールで生まれた双子の息子が高校を卒業。自分の時間がだいぶもてるようになったタイミングで、思いがけず刺し子の展示会をやらないかと声をかけていただいたんです。戸惑いながら準備をするなかで、オリジナルの糸を作りたいという思いが生まれ、刺し子と書道を結びつける構想もひらめき、刺し子が私の新しいライフワークになるだろうという予感は確信に変わりました。 刺し子を通じて出会う未来の風景にわくわくしながら、針を刺す日々です。
※次回「未来の私を育てる時間③」は7/11(月)更新予定です。
→前回「未来の私を育てる時間①」はこちら。
→「暮らし」にまつわるそのほかの記事はこちら。
お気に入りを解除します。

女性向けのナチュラルなインテリア情報誌です。子供や家族を前提とした
インテリア&家つくり情報を中心に、リノベーションなども紹介しています。
また、「暮らしのなかにある小さな幸せ」を大切に、
自分らしく、心地よく暮らすためのアイデアを紹介するインテリア雑誌です。
