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【防災×キャンプ】楽しみながら始める備える暮らし「火熾しと焚火」

2022.8.15

感染症の蔓延、たび重なる自然災害は、暮らしを楽しむことを自重させる風潮も、もたらしました。そして、非常時の備えについても情報があふれているなか、はたしてそれが充分なのか、実際に役に立つのか、不安を抱えながら過ごしている方も多いのでは? そう、備えているだけでは「もしも」の時に使いこなせないのです。だからこそ今、日常から始める“楽しく備える暮らし”を! その鍵となるのは、アウトドア。日常生活と防災の意識を結びつける道具とスキルを伝え、心豊かに生き抜く術を、アウトドアと防災のプロ・寒川さん夫婦の暮らしに学びます。


マッチがなくても火熾しできる方法



数年前、アウトドアライフアドバイザー・寒川一さんに初めてお会いした時のことです。


あれこれとお話を聞いたあと、「焚火はライフワーク」という火を起こすプロセスを見せてもらいました。


焚火台に小枝や松ぼっくりを軽くのせ、脇に麻ひもをふわふわにほぐしたものを置いて、小さな金属棒をナイフの背でシュッと削ると……。飛び出した火花がほぐした麻の繊維に移って燃え、松ぼっくりにも火がつきます。火吹き棒で空気を送り込みつつ、細めの薪、中くらいの薪……と加えていけば、あっという間に安定した焚火になりました。必ず焚火台の上で火を燃やすのは、キャンプ場でも海辺や山でも、その場所に汚れやゴミを残してはならない、虫など地中の生き物に害があってもならないという信念からです。


 焚火といえば着火剤や丸めた新聞紙を使い、パイプの長いライターで火をつけてもなかなかうまく燃えなくてやきもき、というイメージしかもたない人は多いかもしれません。このスピーディさと、自然の素材だけを使う美しさは目からうろこ。フェロセリウムという合金でできた金属棒はメタルマッチやファイヤースターターと呼ばれ、ナイフは「モーラナイフ」というブランドのものだと知りました。


「ライターやマッチと違って、これなら水に濡れていても火が起こせます。火を得るための第3の道具として、使い方を知っておくといいですよ」と、一さん。



「モーラナイフ」にはさまざまな種類があります。そのなかで寒川さん夫婦が災害時を考慮した最初の1本としてすすめるのが「エルドリススタンダード ネックナイフキット」だ。刃渡り59㎜と短いながら幅広い用途に対応。そして重要なのが付属のメタルマッチを使って火を起こせるということ。



キッチンのシンクそばにマグネットで留めた、刃渡りも各種のナイフ。包丁ではなく、アウトドア用のナイフを日々の調理に使いこなす。


取材/秋川ゆか 撮影/飯貝拓司


 


8/26発売 『「サボる」防災で、生きる』 では楽しく備える暮らしのテクニックをたっぷりとご紹介しています。

 



 


寒川 一
災害時に役立つアウトドアの知識をキャンプ体験、防災訓練、書籍などを通して伝えるアウトドアライフアドバイザー。北欧のアウトドアプロダクトを多く扱う(㈱)UPIアドバイザー。アウトドアでのガイド・指導はもちろん、テレビ・ラジオ・雑誌といったメディア出演など、幅広く活躍中。東日本大震災や自身の避難経験を経て、災害時に役立つキャンプ道具の使い方・スキルを教える活動を積極的に行っている。著書『焚火の作法』『キャンプ×防災のプロが教える新時代の防災術』他。

寒川せつこ
北欧ソト料理家、UPIアドバイザー。スカンジナビアの自然と、豊かに暮らす人々との繋がりから、スカンジナビアのアウトドア文化を主に料理ワークショップを通して発信。レシピ提供したメディアは、「NHK 趣味どき!/たのしく防災!はじめてのキャンプ」、「メスティンレシピ」、「ソトレシピ」など多数。

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