【枝ものや葉ものを飾る】インテリアとグリーンのいい関係③
2022.11.16
グリーンを上手に育てながらインテリアとしても楽しむコツを、フラワー&グリーンスタイリストのさとうゆみこさんにうかがいました。前回までの「上手につきあうコツ 1・2 」に続き、今回は手軽に楽しめる葉物や枝ものなどの飾り方がテーマ。植物を育てる基本についてのコラムも掲載しています。
この記事は、Come home! vol.68より抜粋しています。
上手につき合うコツ3
【涼やかなグリーンをいける】
** Advice 1
大ぶりのグリーンをたっぷりふわりと

ユーカリ、ゼラニウム、ティーツリー、シースターなど、色も形もさまざまなグリーンをふんわりといけたしつらえ。「四方から美しく見えるように、全体的に立体感を出すことがポイント。ある程度かたまりを残して、整えすぎずざっくりと」
point
毎日水替えと切り戻しを

水替えするときに、茎を1cmほど切り戻すと、導管の切り口がリフレッシュされてもちがよくなります 。「 切り口は斜めに。枝ものは繊維に沿って縦に割れ目を入れます」
** Advice 2
枝ものグリーンをぽつんと1本

ティーツリーの枝をガラス花器に挿しただけで、絵になるコーナーが完成。繊細な葉としなやかな枝のシルエットが涼しげです。「花器の形や口径によって植物の表情も変わるので、雑貨やインテリアに合わせて、バランスのいいものを選んでみて」
** Advice 3
葉ものを1本ずつ 色も形もいろいろ

ベゴニア、リキュウソウ、ジャスミン、ユーカリをそれぞれ花器に。「Advice 1のようにたくさんの種類をいけるのは上級者向けですが、1本ずつ小さな花器にいける方法なら失敗がありません。1つより、複数あったほうがコーナーとしてまとまります」
point
庭のグリーンも取り入れます

グリーンあしらいのいいところは、花屋さんまで行かなくても植物が調達できること。 さとうさんも、庭の木の枝やハーブをさっと切って気軽に楽しんでいます。
鉢ものを育てるより
手軽豊富なグリーンに目を向けて
インドアプランツのもうひとつの楽しみ方が、枝ものや葉ものを切り花のように飾る方法。「最近はグリーンだけのブーケも人気ですし、花より長もちしてインテリアに合わせやすいのが魅力」 いけ方は自由。ドウダンツツジやユーカリといった背の高い枝ものを1本挿したり、庭に生えているハーブを切っても。カラスノエンドウなど、道端の雑草を摘んでもいいのだそう。 「雑草は水が下がりやすいものが多いので、切ったらすぐに水を張った容器に入れます。根ごと引き抜いて、根を洗ってから飾るのもおもしろいですよ」 植物を育てるのが苦手、鉢の置き場がないという人にも挑戦しやすいグリーンあしらい。気軽に飾ってインテリアにさわやかな景色をつくってみませんか。
【Column】
グリーンと長くつき合うために
植物を初めて育てる人も、すでに育てている人も知っておきたい栽培の基本。 元気な姿を長く楽しむために、お手入れポイントを覚えておきましょう。
水やりのタイミングもそれぞれ
土の表面が乾いたら、水を欲しているサイン。「あげるときは、一度にたっぷりと。保水力は植物によって違い、サボテンや多肉植物の場合はさらに土が乾くのを待ちます。様子をよく観察することが大切」。暖かい4~10月は定期的に外に出し、本来の自然環境に置くと元気よく育ちます。
プラ鉢のままなら
ローテーションも手軽
インテリア的にはやや気になるプラスチック鉢ですが、実はメリットがいっぱい。「軽いので動かしやすく、汚れもつきにくい。好きな鉢にポンと入れるだけで雰囲気が変えられて手軽です」。白は悪目立ちしてしまうので、黒や緑をチョイス。
そのままの大きさで育ててもOK
植え替えのたびに鉢を大きくすると植物も大きくなります。そのぶん置く場所も必要になるので、あまり大きくしたくないときは買ったときの鉢で育ててもOK。根詰まりしはじめたら植え替えのタイミング。古い根を取り除いてもとの鉢に戻し、上の葉を剪定して全体のバランスをとるようにしましょう。
原産地を知ると育て方がわかります
観葉植物は亜熱帯のものが大半ですが、もう一歩踏み込んで原産地まで調べたいもの。「原産地を知ると、その植物に適した環境がわかりますから、育て方の参考になると思います。それには正しい植物名が必要なので、買うときに確認しましょう」
何より大切なのは
日当たりと風通し
南向きの明るいリビングでも、部屋の奥は植物にとっては少し暗い環境。「直射日光を避けた、明るく風通しのいい場所が最適です。玄関やトイレなど光の届かない場所には置きっぱなしにせず、数日ごとに置き場を替えて光を当てて」
元気がないときの肥料はNG
肥料は成長が盛んなときに与えるのが原則。「元気がないときにあげるのは、食欲のない病人に焼き肉を食べさせるようなもの。過度に何かを与えるのではなく、受け皿の水がたまっていないか、日光の量が足りているかなど環境面を見直して」
教えてくれたのは さとうゆみこさん

「green & knot」主宰。フラワーショップやインテリアシ ョップ勤務、専門学校の講師を経て、現在はフラワーコー ディネートから空間スタイリング、グリーンアドバイザーまで、植物のあらゆるジャンルで活躍している。
※「インテリアとグリーンのいい関係」は今回で終了です。
→前回の記事①②はこちら。
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