【台所と家庭菜園】暮らしを楽しむ人のキッチンをお手本に①(前編)
2023.1.16
大切な食事を作る「台所」。みなさんにとってどんな場所でしょうか?
台所ですごす時間は意外と長く、それは家族の暮らしや幸せに費やす時間です。
そこに何を求めるのか、たまにはキッチンを眺めながら模索するのもいいもの。
そのためのヒントをくれるような、暮らしを楽しむ4人の“台所時間が上手な人”を、本日より前後編でご紹介します。
1人目は、キッチンと庭で「自然の循環」を楽しむ日高さんです。
この記事は、Come home! vol.69より抜粋しています。
case 01 自然の循環を楽しむキッチン
野菜を育てて、料理して食べ
庭とキッチンを行き来しながら
自然の循環の一部になることを
堪能しています
〈日高裕美子さん〉
私はやるとなると、のめりこんでしまうタイプ。数年前「トキラボ」というオンラインショップを始めてから、パソコンにかじりついて、食事も忘れて仕事をするなんていう日がふえました。そんな私の偏りがちな軸を、 暮らしに引き戻してくれるのがキッチンです。

自宅で仕事をしている私にとって、キッチンは暮らしの大切さを思い出させてくれる場所。料理や片づけが気分転換になるんです。

この日の昼食は焼きおにぎり、畑で採れたモロヘイヤのおひたし、野菜の浅漬け。心と体を整える旬の野菜を使ったメニューが定番。
まな板、包丁…
いい道具が奏でる音を
楽しんでいます

「ウッドペッカー」のイチョウのまな板は跳ね返りの感覚がやわらかく、疲れません。包丁は「有次」。トントンという音が心地よくて無心になれます。

常備している浅漬けも、 ガラスのボウルで作ると色が美しくて。

煮物に使う木の落としぶたは、浅漬けにも便利。
キッチンですごす時間にはたくさんの気づきがあります。季節の変化を告げる旬の野菜。 甘酸っぱい果実の匂い。リズミカルな包丁の音や、やかんの口から立ち上る湯気。五感を研ぎ澄ましていると、そういった暮らしのなかのシーンに〝わくわくの種〟があることに気づき、心のスイッチが切り替わるんです。

ここはもともとコンクリートの駐車場。 ウッドデッキをDIYし、土を運んで種を植え、20年近くかけて庭に。
キッチンと同じくらい、わくわくに満ちているのがわが家の庭です。たとえば、木の実を食べに来た鳥が、実を落としてコンコンと割って食べる音に生命力を感じたり、鳥がこぼした種から芽が出て、自然の営みを垣間見たり。
生ゴミは数カ月かけて土に戻します
コンポストはわが家の大切な循環装置

コンポスト歴は20年。落ち葉やぬかを入れた木箱に生ゴミを入れて日々かき混ぜていると、微生物が分解しふわふわの土に。
なかでも、 20年続けているコンポストは最たるもの。料理で出た生ゴミをコンポストに入れて定期的にかき混ぜていると、数カ月かけて土に還る様子が見られます。そうしてでき上がった土に野菜の種をまき、収穫して食べる。その循環が心地よくて――。
庭の菜園が私の遊び場

冬以外は10〜15種の野菜を栽培。品種改良されていない固定種を種から育てています。

この日はモロヘイヤを収穫。

収穫に使うのは、篠竹という細竹を使った手製のかごと、分解して洗えるキッチンハサミ。
今は新しくキッチンガーデンを作っているところ。 まだ完成には時間がかかるけれど、わくわくする仕掛けをこれからどう作っていくか考えています。コンポストも庭の畑も手間ひまがかかるけれど、〝過程〟を面白がる心の余裕の大切さを私に教えてくれる場所なんです。
※【暮らしを楽しむ人のキッチンをお手本に①(後編)】は1月18日(水)11時〜公開予定です。
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