2DK・築55年のレトロ感を生かした今どき団地住まい【ひとり暮らし女子の部屋】
2023.3.5
SNSの普及やコロナ禍をきっかけに、家のあり方が見直されるようになった今、盛り上がりをみせているのが、ひとり暮らしの住まいです。「狭くて部屋数も少ないから、インテリアを楽しむ余裕がなさそう」、「長く住まないので、家のことにお金や手間をかけにくいのでは」と思いがちですが、それは古い先入観。SNSを使いこなす若い世代にとって部屋は個性の表現の場なので、服と同じくらい家具にもお金を惜しまないし、内装が可愛いなら古さが際立つ家だって問題なく住めます。また、家ですごす時間がふえたことで、駅からの距離や築年数よりも、居心地のよさを優先して住まいを選ぶ人もふえました。そう、ひとり暮らしの人たちが住まいに求めるものが、変わりつつあるのです。そこで、”ひとり暮らし”にスポットを当て、今どき女子の3軒の住まいをご紹介します。2人目は築55年の団地で暮らすhi.tori__さん(前編)です。
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築55年の団地。間取りは2DKで41㎡。駅から近く、会社へのアクセスのよさも決め手だったそう。
築55年の団地。昭和らしい建物からは想像できない明るい空間が広がります
編集部が訪れたのはおしゃれな団地暮らしを発信するhi.tori__さんの住まい。今どきのリノベーション物件ではなく、hi.tori__さんが暮らすのはリアルな古い団地です。玄関ドアを開けると、布に隠された洗濯機が目に飛び込んでくる独特の間取りからも、らしさを感じます。けれどLDKに入ると、木目調の床に清潔感のあるキッチン、ナチュラルな家具や雑貨がお出迎え。昭和の香りが漂う外観からは想像できない明るくて心地いい空間が広がります。
hi.tori__さんが団地に暮らすようになったは、コロナがきっかけでした。「以前は1Kの暗くて狭いアパートに住んでいたんです。コロナによって自宅待機になったとき、1日じゅう家にいるとだんだん辛くなってきて…」。そこで、明るくて広い部屋に引っ越すことに。以前から気になっていた団地に絞り、いくつか内見したなかで、今の団地に決めたそうです。「駅から近く、家賃も予算内で、2DKという広さも充分。なにより明るいのがうれしくて」。
レトロなガラス窓、むき出しの配管——
趣のある造りがお気に入り

玄関には収納がなかったため、板を買って靴箱をDIY。

廊下とキッチンとの間の壁に設けられたレトロなガラス窓。「このデザインもお気に入りです」

玄関入った正面にあるのが、布でカバーされた洗濯機。隣には小ぶりな手洗い場が。
南に面した窓から気持ちいい光が入ります

ベッド前に敷いているのは引っ越し記念で手に入れたヴィンテージラグ。照明は「IKEA」のSINNERLIGです。

以前の家のときにDIYしたテーブル。「WOOD PRO」で購入した足場板に鉄脚を組わ合わせたシンプルなデザイン。椅子はアーコールチェア。

ペンダントライトやポストカードが壁面を素敵に彩ります。
ただの収納もおしゃれに見えるのが魅力

和室は主に服の収納に活用。ふすまを外して出し入れしやすく。
古い団地ならではのデメリットも
どこを切り取っても写真映えするおしゃれなhi.tori__さん宅。洋服が素敵にしまわれた押入れや、絵になるツールが並ぶキッチンは、団地に憧れをもつきっかけになるほどの可愛さです。一方で古い団地ならではの悩みも。そのひとつがエアコンがないこと。設置場所はあるため、購入すれば取り付けは可能ですが、いつまで住むかもわからないこともあり、今のところ購入予定はないそう。「冬は本当に寒いです。でも我慢しているうちに春がきて…。なんとかなるものですね」と、hi.tori__さん。また、洗濯機の下に排水口がないため、洗濯のたびにわざわざ浴室に排水ホースを移動させるというのも不便なところ。「一般的な家だと当たり前なことが、なかったりするんです。でも、慣れると気にならなくなりますよ」。
後編は3月6日(月)11時に公開予定
photo by/中村 寛史
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