【3月のtretre通信】によどの山と牧野富太郎

tretreの高知・によど通信

2023.3.15


こんにちは、tretreの小原です。


こちら高知・仁淀も昼間は暖かく春らしくなり、
梅や木蓮、水仙、菜の花などが咲いています。
彩りゆたかになると、気持ちも軽くなりますね。


牧野富太郎が分け入った山々



みなさんは牧野富太郎博士をご存知でしょうか。
高知県出身の植物学者で、
生涯で1,500種類以上の植物を命名しました。
全国各地で植物採集をし、
40万枚もの植物標本を残したと言われています。
植物標本とは、いわゆる押し花のようなものです。


そして、今年4月にスタートする
NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」
主人公のモデルでもあります。


✔牧野富太郎博士について(牧野植物園Webサイト)



牧野博士は私たちが暮らす仁淀川町にほど近い佐川町の出身で、
若い頃には仁淀川町にも植物採集によく訪れていたそうです。


今もなお緑あふれるこの町ですが、
博士が訪れていたであろう130~140年前は
さらに植生ゆたかで、博士にとっては宝の山だったことでしょう。



昨年の秋、町内に自生している「ヤマトグサ」を見に行きました。
ヤマトグサは、博士がこの地で発見し、
日本人で初めて学名を命名した植物です。


ほかの草木に紛れてひっそりたたずむ小さな植物でした。
ぱっと見、これといった大きな特徴はなく、
少し目を離しただけで見失ってしまいそうです。



よくよく観察すると、葉に細かな毛が生えていたり、
茎が横に這うように伸びていたり。
ずっと見ていると、周りの草むらからも
「お、きみもヤマトグサだね」と見つけられるようになりました。



「雑草という名の草は無い」
という言葉を博士は残していますが、
野草を摘む仕事をしている私たちでさえ、
目の前にある植物一つひとつを認識することは難しいものです。


それでも不思議なもので、必要な野草や美味しそうな山菜は
群衆の中から知人を見つけるように
そこだけ解像度が高くなります。


博士にとってはどの植物も知った顔。
山には友達がたくさんいるような感覚だったのかもしれませんね。


博士が愛したバイカオウレン


先月、牧野博士の生誕地・高知県佐川町にある
牧野公園を訪れました。
ここには牧野博士のお墓があります。


牧野公園は、地域有志の方々が土地の植生を活かしながら
植物を植えて整備しています。



2月は博士がとくに愛した植物の一つといわれる
「バイカオウレン」の花が咲く時季。
お墓のすぐそばにバイカオウレンの群生地がありました。



大人の小指よりも背が低いくらいの
とっても小さな植物です。
林の中の苔むす湿ったところ、
時折り木漏れ日がさす程度の日陰を好みます。


博士の生家のすぐ近くにある金峰神社にも
このバイカオウレンがあり、
幼い頃から親しんだ植物だったのでしょう。



何万もの植物を目にしてきた博士が、
こんなに小さく可憐な草花を愛していたというのが
なんともいじらしく、可愛らしく感じます。


植物学界の権威でありながら、
情熱的でユーモアもあり、笑顔が似合うお人柄。
朝ドラでどんなふうに描かれるのか、
とっても楽しみです。


暖かくなると、山はいきいきとして鮮やかな緑に。
それと同時に人もいきいきと畑に向かっていきます。
私たちの摘み草作業も本格始動です!


牧野植物園オリジナルブレンドティー



牧野博士が命名した植物や
牧野植物園ゆかりの植物をテーマにした
オリジナルブレンドシリーズです。


※次回は4月15日に掲載します。お楽しみに!


 


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