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園芸デザイナー・三上真史さんに教わる 春植えにおすすめの宿根草5選

三上真史さんに教わる「春の庭づくり」の基本

2023.4.4

草花が芽吹き、樹木の緑が少しずつ深まり、植物があわただしく活動をはじめる春は、ガーデナーにとって1年でいちばんワクワクする季節。園芸店にはさまざま植物が並び、どれを植えようかと選ぶのも楽しい時間ですね。けれど、「可愛いから」とつい見た目だけで選んでしまうことはありませんか? 植物には合う合わないがあるので、庭の環境や手入れ方法に適したものを選びたいところ。そこで、NHK「趣味の園芸」の講師としても活躍している園芸デザイナー・三上真史さんに、たくさんの苗が揃う「ジョイフル本田」にて、庭づくりにおすすめの植物を教えていただきます。3回目は素朴で可愛い宿根草5選です。


解説してくれるのは三上真史(みかみ まさし)さん


1983年、新潟県生まれ。2011年から2021年3月までEテレ「趣味の園芸」ナビゲーターを務め、同年4月より講師として「三上真史ニッポン花づくし」を、2023年4月より「三上真史ニッポン実りのわざ」を担当。また、16年からtvk「猫のひたいほどワイド」水曜MCを務める。16年3月「第33回全国都市緑化よこはまフェア広報親善大使」、18年より「横浜の花と緑をPRするアンバサダー」に就任。21年6月よりGreenSnapのオフィシャルアンバサダーに就任。ガーデンコーディネーターや1級FP技能士、簿記等の資格を持ち、園芸や経済に関する講演会・イベントなど多方面で活躍中。YouTube「三上真史の趣味は園芸チャンネル」にて植物の育て方や楽しみ方を配信中。 YouTube blog Instagram twitter


そもそも宿根草って何?多年草との違いは?



いま、ガーデニングで人気の植物といえば宿根草です。植えっぱなしでも翌年にまた花を咲かせてくれ、ローメンテナンスなところが人気の理由ですが、そもそも宿根草とはどんな植物なのでしょうか。「宿根草は生育に適さない時期、多くは冬場や暑い夏の時期でも地下部で根っこは生きていて、生育期になると再び芽吹く植物です。“根に宿る”と書くその名の通り、まさに根に命を宿している植物なんです。数年生きる植物を『多年草』といいますが、何年も花を咲かせるという意味では宿根草も多年草の一種です」と三上さん。水やりは雨水だけでも育つものが多く、数年にわたって枯れずに生きてくれる宿根草は、忙しいママやパパにもぴったり。丈夫で育てやすいものも多いそうなので、三上さんおすすめの宿根草から、ガーデニングをはじめてみては。


※写真内の価格は取材時のものです。


おすすめの宿根草5選


オダマキ



丈夫で古くからさまざまな園芸品種が栽培されてきたオダマキ。日本では山や野の中でも自生しています。植えっぱなしでも育ち、冬になると地上部は枯れますが、春になるとまた芽吹いてくれる丈夫さが心強いですね。4〜6月になると青、黄、黄、青紫、白、桃色など多彩な花をたくさん咲かせます。楚々としていながら豪華さ、力強さもある花で、花を楽しみたい方にとってはおすすめですよ。細かく分かれた葉っぱもデザイン性があり、こぼれ種でもよく増えます。


【DATA】
形態:宿根草
草丈:10~50cm
耐寒性:強い
耐暑性:普通
開花時期:5~6月
育て方ポイント:午前中は日なた、午後は明るめの日陰になる場所での栽培が好ましく、庭植えの場合は雨だけでも十分育ってくれます。ただし、晴天が続いて乾燥している時はたっぷり水を与えましょう。


ガウラ



耐暑性もある強い植物で、初夏から晩秋まで長い期間、次々と花を咲かせながら成長してくれます。ピンクや白の蝶々のような花を咲かせることから、「白蝶草」とも呼ばれています。最近の品種には葉に斑が入っていて、花が咲かない時期でも斑入り品種として楽しめるようになりました。野生化するくらい丈夫で育てやすいのでおすすめです。軽やかで主張しすぎず、風になびく姿が爽やかですよ。ほかの植物とも相性抜群ですよ。


【DATA】
形態:宿根草
草丈:30~150cm
耐寒性:強い
耐暑性:強い
開花時期:5~11月
育て方ポイント:半日以上は日の当たるところがおすすめ。日当たりが悪くなるほど花は咲きにくくなります。庭植えでは水やりはほぼ雨だけでOKです。


ネペタ



別名「キャットミント」と言われ、猫が好むミントのような清潔感のある香りがする植物です。丈夫で大きめの株にはなるりますが、ミントのようにそこらじゅうに這うように増えていくわけではないので、花壇などにも安心して植えられます。ラベンダーのような青い花の他、白やピンクもあり、真夏を除いて4〜10月に咲きます。バラとの相性もよく、さみしくなりがちなバラの株元に植えるのもおすすめです。まとまって生えてくれるからバラの根にも侵食せずに育ち、シルバーがかった美しい葉がバラを際立たせてくれますよ。


【DATA】
形態:宿根草
草丈:20~80cm
耐寒性:強い
耐暑性:強い(蒸れには弱い)
開花時期:4~10月(真夏を除く)
育て方ポイント:日当たり、風通し、水はけのよい場所ならよく成長します。多湿による群れには弱いため、梅雨前に切り戻して、風通しを良くしましょう。水はけがよければ明るい半日陰でも育ち、根が張れば乾燥にも強くなります。


ラナンキュラス・ゴールドコイン



一般的なラナンキュラスは球根植物で植えっぱなしにするのが難しかったのですが、このラナンキュラス・ゴールドコインは植えっぱなしにできる宿根草タイプ。耐寒性にすぐれ、野生化するほど丈夫なのでお庭でも育てやすいです。そして、ゴールドコインの魅力はなんといっても可愛らしい花。光沢のある小さな八重の黄色い小花が4~5月にかけてたくさん咲き、庭を明るく華やかにしてくれます。寒さに強く植えっぱなしでもどんどん横に広がるから、グラウンドカバーとしてもおすすめです。


【DATA】
形態:宿根草
草丈:15~20cm
耐寒性:強い
耐暑性:強い(蒸れには弱い)
開花時期:4~5月
育て方ポイント:半日陰程度であれば栽培可能。水やりは雨にまかせてOK。土が乾きすぎていると生育が鈍るため、3日くらい雨が降らず乾燥したらたっぷり水やりをしましょう。


リシマキア



北半球が原産で世界に約200種あるとされ、日本にも15種ほどが自生しているリシマキア。葉の色が豊富でカラーリーフとしても人気です。縦に成長するタイプと横に成長するタイプがあり、横に成長していく「ほふく性タイプ」は、グラウンドカバーにもってこい。どんどん横に伸び、茎が伸びて地面につくとそこから根を出してまた増えていきます。写真の品種は「ペルシャン・チョコレート」で黒褐色な銅葉と赤みを帯びた茎がシックな花だんを演出してくれます。他にもおすすめは、黄金葉の‘ヌンムラリアオーレア’という品種。庭がパッと明るくなりますよ。品種によって葉の色、花の色、花姿がちがうので、ぜひお気に入りを見つけてください。


【DATA】
形態:宿根草
草丈:5~100cm
耐寒性:強い
耐暑性:強い
開花時期:4~8月
育て方ポイント:日当たりから明るい半日陰まであまり場所を選ばず育てやすいです。乾燥しすぎると弱ってしまうため、水はけと水もちのよい土が適しており、土が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。


※この記事でご紹介している苗は、時期や店舗によって取り扱いがない場合があります。


著者本「三上真史の趣味の園芸のはじめかた~育てる&楽しむ50のヒント」が発売!


初めての著書「三上真史の趣味の園芸のはじめかた~育てる&楽しむ50のヒント」(2023年4月19日発売)では植物が元気に育つ栽培のコツを50のヒントにぎゅっとまとめて分かりやすくご紹介しています。定価1760円(本体1600円+税)。


4回目「苗と種はどちらを選ぶべき?」は4月6日(木)11時公開予定
その他の記事はこちらより


ロケ地/ジョイフル本田  千葉ニュータウン店
住所:千葉県印西市牧の原2-1
TEL:0476-47-6811(店舗代表)
TEL:0476-47-6825(ガーデン関連商品・サービス)
営業時間:9:00~20:00(資材館は8:00開店)
※アート・クラフトコーナーやペット用品コーナーほかも併設
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執筆/大勝きみこ 撮影/松村隆史


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