【7月のtretre通信】和紙の原料「コウゾ」のお茶

tretreの高知・によど通信

2023.7.15


こんにちは、tretreの小原です。
こちら高知・仁淀もいよいよ夏本番。
蝉の鳴き声に一層夏を感じるこの頃です。


里山の植物をお茶に



私たちtretreが、高知県立牧野植物園さんと一緒に
作らせていただいているオリジナルブレンドティー。


2年ほど前、そのラインナップとして
「高知ならではの植物でお茶を作れないか?」
というご相談が牧野植物園さんからありました。


そこで、古くから里山の暮らしに密接にかかわってきた
植物を候補にして相談をすすめていき、
選んだのが和紙の原料「コウゾ」の葉でした。



高知で平安時代から作られてきたとされる土佐和紙。
原料の「コウゾ」や「ミツマタ」の栽培に適し、
かつ、きれいな水が豊富なことから、
高知の山あいでは古くから製紙業が盛んなのです。


仁淀川町内にある手漉き(てすき)和紙工房「尾崎製紙所」の
片岡さんにご相談したところ、快くご協力くださり
「コウゾ」のブレンドティーづくりがスタートしました。


コウゾの収穫



これがコウゾ畑。
コウゾの株は大人の背くらいあります。


和紙には木の皮を使いますが、
お茶にするのは青々とした初夏の葉っぱ。
コウゾの木の成長を促すために間引く枝の葉っぱです。



どの枝を間引くかも大事ですし、
また、鎌の刃の入れ方によっては
株を傷めてしまうことがあるため、
片岡さんのご主人に間引き作業はお任せして
葉だけを収穫させていただきます。



私たちの工房に持ち帰ったら、
葉の表面を拭いてカット。
葉が薄く、陰干しでは葉の色も悪くなるので
すぐに乾燥機に入れて色よく仕上げます。



味わいはクセが少なくまろやか。
わずかにトロンとした舌触りがあります。
釜炒り茶などと合わせて素朴に仕上げ、
コウゾの味わいを引き立たせます。


和紙を受け継ぐ



戦前までは町内にいくつもあった手漉き和紙工房。
今は「尾崎製紙所」さん1軒のみです。
原料のコウゾから育て、収穫して原料を作り、
自ら紙を漉いていらっしゃいます。


尾崎製紙所さんは、
国の無形文化財に指定されている「土佐清帳紙」も漉いています。
今や四代目の片岡あかりさんしか漉くことのできない紙で、
日本だけでなく海外からも評価が高い紙の一つです。


最近ではウォッチメーカー「シチズン」の
プレミアムブランド「The CITIZEN」のなかでも
ハイエンドモデルの文字盤に搭載されています。


The CITIZEN ブランドサイト



以前、冬に紙漉き作業を見学させていただきました。
寒さ厳しい中、水の冷たさをものともせず。
一枚一枚への集中力、
一つ一つの動作の丁寧さが伝わってきました。



道具も手作りのものばかり。
今は道具職人の方も数えるほどしかいらっしゃらないそうです。



人にも物にも空間にも、長年、代々の知恵が詰まっていて、
一枚の和紙に途方もない月日と手間ひま、
そして漉き手の方々の想いを感じ、グッとくるものがありました。


コウゾをお茶にするのも身が引き締まります。


Kaji-House(尾崎製紙所アトリエ)
Instagram: @kajihouse611


コウゾを使ったブレンドティー



Kozo(コウゾ)
昔から飲み継がれてきた釜炒り茶や
クワの葉に、まろやかな味わいの
コウゾの葉をブレンドしました。


※次回は8月15日に掲載します。お楽しみに!


ほかの月のtretre通信は、こちらから


…………………………………………………………………………………………………………………………


tretre(トレトレ)
https://tretre-niyodo.jp/
TEL 0889-36-0133
Instagram


今週の人気記事

Instagram

line

女性向けのナチュラルなインテリア情報誌です。子供や家族を前提とした
インテリア&家つくり情報を中心に、リノベーションなども紹介しています。
また、「暮らしのなかにある小さな幸せ」を大切に、
自分らしく、心地よく暮らすためのアイデアを紹介するインテリア雑誌です。

line